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ふにやんま ー 世界の小所低所からー

http://funiyanma.hatenablog.com/  

ふにやんま Recommended 《フォルクスワーゲン》

本や料理じゃないけれど、クルマというのも持ち主の人柄がよく出ると思う。

「あなたがどんなクルマに乗っているかで」だ。

椎名誠氏が、国産のピックアップトラックと共に、古いベンツのセダンを

愛用している、というのも好きな話。

初代のベンツが買い替えとなって、椎名氏が出したオーダーが、

「なるべくボロくて、走行距離の長いのを探してくれい!」

「8,000kmじゃダメですか?」「うーん、もう一声!10,000kmは欲しい」

心情はよく分かる。

クルマというのはすっかり鄙びて、傷がつこうが泥だらけになろうが、

もうどうでもいいや、という時期が一番使いやすい。

椎名誠がベンツ。しかもセダン。イメージあわない」とか書いてる人いるけど、

ほっといてやれよ。頑丈で実質本位で、いいチョイスだろう。

余談だが、昔、椎名氏が鬱病になったことを書いた際、ファンから

「椎名さんが神経症だなんて幻滅です。スーパーマンであって欲しかった」

という手紙が来たそうだけど、それもあんまりかと。

人に自分の理想像を勝手に押し付けるのは、やめたほうがいいね。

 

ここからは、エンジンを型式で一つも言えないレベルの、素人のクルマ観。

 

私はフォルクスワーゲンが好きだ(利害関係者ではない)

「ベンツはファミリーカー、BMWはスポーツカー」という徳大寺有恒氏の

ドイツ車評があったが、VWは「実用車」だと思うし、そうあって欲しい。

丸11年乗ったパサートワゴン1.8Lターボは、

内装の細かい部分が本当にチャチくて、カップホルダーは割れるわ、

センターコンソールのひじ掛け兼物入れ?のヒンジは壊れるわ、

およそ国産車ではありえないような事で、ディーラーに何度も

足を運ぶことに。

ドアミラーの調整ボタンなんか、ドアに垂直に付いている為、予想どおり

7年目ぐらいで折れた。下に向けて負荷がかかりやすいから、素材の強度を

かなり上げるか、ドアに水平に設計するかで簡単に解決すると思うのだが。

代車のPOLOでは、運転席ドアの右のひじ掛け部分に茸状に付いていたので、

「おっ!改善したな」と感心したのだが、後述の3代目ビートルでは、また

元に戻っていた。強度は改善したのか?かなり疑問。

 

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VWお約束の運転席右ドアのガラス落ちも、7~8年目ぐらいで経験した。

全てのドアの布の内貼りが熱でダメになって、浮いてきた布を、

乗るたびに三角定規で押し込んでいた。

ヨーロッパというのは、基本的に日本と比べてはるかに年間冷涼なので、

内装のヤレは日本の真夏の直射日光で、倍ぐらい進むのでは?という感じ。

ガレージ所有のかたは別にして、輸入車は内装が「剥がれる」

「色あせる」、「真夏にクーラーが効かない」の3点は、

覚悟しておいたほうがいい。

※なんでも輸入車の内装は、素材そのものの劣化だけでなく、

接着剤の中の揮発成分が熱で蒸散して、剥がれやすくなるらしい。

国産車は日本の高温多湿を前提に、接着ではなく一体成形のパーツを

多用することで、ヤレを回避しているのだとか。

コストダウンにもなっていると推定。

 

屋外駐車場で諸々の花弁や落葉に晒され、エンジンルームの

ドレーン(排水口)が詰まって雨水でチャプチャプになった事もあった。

おったまげてディーラーに電話したら、

「なんてこと無いです。そのまま乗ってきてください」と言われ、

更に驚いた。

バッテリーやら何やら(パーツ名称がよく分からない)、全部水に浸かっている

のに、走れとな!感電しないのか!

確かに無事にディーラーまで辿り着いて、ドレーンのゴムごと抜いてもらって

すぐ直ったけれども、エンジンルームの耐水性?は誇るべき点ではないような。

そもそも国産車は日本の駐車環境にあわせて、ドレーンが設計されているから、

エンジンルームが水没したりしないのではないのか?

 

ただし、「走りに関わる部分の堅牢度」と「安全性」については、

定評どおりかと。

ディーラーのメカニックが、「10年目で1回、20万~30万円かけて足回りの

劣化したゴム類を交換して頂ければ、通算20年は乗れますよ」と誇らしげに

言っていたが、あながち嘘ではないと思う。しなかったけど。

ボルボなんかも耐久性が高いとオーナーに聞くが、自分で

乗った事がないのでよく分からない。

安全性も、国産車のようにクラッシャブルゾーンだなんだと卑屈な事は言わず、

「なにこの重たいドア!」と女性が驚くぐらいの、

ごっついサイドバーが、4枚全部に入っていた。

おかげでパサートワゴンは、街乗り4~5kmとフェラーリ並の燃費だった

が、「事故でも、そう簡単には死なないな」という安心感があった。

(燃費については少しVWを擁護しておくと、エンジンバリエーションが

極端に少ない時代のクルマだったので、ワゴンボディには無理くり1.8ターボを

載せるしかなかった模様。アメリカのガソリンが、馬鹿みたいに安かった時代の

北米戦略車だったと思われる。一応、高速だと11km/Lぐらいは走った)

あと、色によって差はあるだろうが、塗装も強い。

パサート赤だったが、屋外駐車場で11年、ビクともせず。

VWグループ入りして、塗料が共通化する前のアウディの朱色っぽい赤が、

ひどく灼けに弱かったのとは好対照。

ちなみにパサートはディーラー試乗車だったので、カタログには

無い赤だった。海外限定カラーというやつね。

これは希少性があって嬉しいかも、と買う時には思ったのだが、

実は日本エントリーのゴルフと同じ塗色で、ゴルフワゴンと

頻繁に間違えられるという結果しか生まなかった。

 

とまあ、色々な思い出を残したパサートだったが、今夏晴れて

ザ・ビートル1.2ターボに代替わり。もちろん赤。

国産車にありがちな、過剰でこれ見よがしなグリルの計器類が大嫌いなので、

パドルシフトもステアリング・オーディオコントロールもない、

最低グレードを選択。

内装の劣化しそうな部分が、だいぶ減ったのも嬉しい改善点。

プリウスの新車なんかより安かったし、今のところ燃費もパサートの倍になって

快適なカーライフを楽しんでいる。

女性のお買物グルマとしてお勧め出来るほどではないが、重たかった操作系も

だいぶ軽くなり、国産車と遜色ないレベルの扱いやすさになってきた。

※2015.05.10追記

 エンジンルームを見るとき、上げたボンネットをとめる棒があるでしょ?

(名前知らない)

あれを通常の状態で止めるフックが、ザ・ビートルでは黄色い

プラスチック製なのを発見。

パサートはフックじゃなくて、埋め込み式だったような・・・。

高熱になる場所で、耐久性は大丈夫か?と今から心配。

写真見てもらったほうが分かりやすいかな。

写真の左下、エンジンルーム開口部のまさにエッジに突き出た

アヒルの口みたいなフック。

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ちなみにお買物グルマとしては、トヨタのパッソが世界最高だと思う。

ハンドルは軽くてキュンキュン回るし、お買い物袋の置き場が

運転席と助手席の間にたっぷりスペース取ってあって、車内には

女性が重宝しそうなポケットもいっぱい。

こんなコンセプトで作られた車って、日本にしか無いでしょ。

 

そうそう、輸入車はそのメーカーのいいディーラーが近くに無ければ、

買わないほうが無難。細かいパーツも含めて、お世話になることが多いから。

「マンションは管理で買え。輸入車はディーラーで買え」だ。

 

※故人になられたが、徳大寺有恒氏の「間違いだらけのクルマ選び」シリーズは、

日本と欧米の比較文化論の域に達していて、本当に面白かった。

バッナンバーを含めて全部読んでいた。謹んでご冥福を祈りたい。 

2015年版間違いだらけのクルマ選び

2015年版間違いだらけのクルマ選び

 

                                                                                 以上     ふにやんま