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ふにやんま ー 世界の小所低所からー

http://funiyanma.hatenablog.com/  

超能力テーマは難しい?

待望の山田宗樹「ギフテッド」を読んだが、肩透かし気味で、ちょっとガッカリ。

ストーリーの尻すぼみ感が拭えないし、登場人物の描写も時間設定を含めて中抜きし過ぎ。

キーマンなのかな?と思わせるアレックスは、設定上おいしいキャラなのに、大きく絡んでくる事もなく、最後まで詳細が語られず仕舞い。

これなら前作「百年法」のほうにいい点を付けるなあ。

ギフテッド

ギフテッド

 

  

百年法 上

百年法 上

 

最近の私的3大肩透かし本を挙げろ、と言われたら、これと 「レイク・クローバー」(楡周平)、「ジェノサイド」(高野和朗) かな。

ちなみに前者がパンデミックもの、後者がミュータントもの(ネタバレ?)

どちらも決してつまらなくは無いし、相当にレベルは高いのだけれど、読む前の私の期待が過剰なのでしょう。

楡さん、高野さん申し訳ございません。

レイク・クローバー

レイク・クローバー

 

  

ジェノサイド

ジェノサイド

 

 

話を戻すと、超能力系のフィクションというのは、求めるものが読者によってかなり違うせいか、万人向けの秀作が少ないように思う。

「違うんだよー、こういう話が読みたいんじゃないんだよー」

という結果になり易いのは想像がつく。

 

好みの個人差を抜きにして、「やっぱ凄いわ」と言わしめる筆頭は、やはり大家スティーブン・キングの「キャリー」 だろう。

極めて映像的で、しかも超能力系にありがちな、突拍子の無さを微塵も感じさせない、能力発現までの緻密な心理描写の積み上げ。

このレベルの作品を以ってして、軽々に代表作と言わせない、帝王キングの筆力には、まさに脱帽なのだ。

キャリー (新潮文庫)

キャリー (新潮文庫)

 

日本だと、キングの本歌取り宮部みゆきクロスファイア」に「龍は眠る」、

半村良「岬一郎の抵抗」(残念ながら絶版。電子書籍でなら入手可)、

筒井康隆七瀬シリーズ」だろうか。 

いずれも超能力者の受難や苦悩にウエイトが置かれて、突き抜けたエンターテイメント性が無いのは、日本の作家らしいと言えばらしいところ。 

覚(サトリ)の文化というか、読心術ものに秀作が多いのは国民性?

クロスファイア〈上〉 (光文社文庫プレミアム)

クロスファイア〈上〉 (光文社文庫プレミアム)

 

 

岬一郎の抵抗 1 (集英社文庫)

岬一郎の抵抗 1 (集英社文庫)

 

  

家族八景 (新潮文庫)

家族八景 (新潮文庫)

 

中島らもガダラの豚」、万城目学偉大なる、しゅららぼん」等も、広義の超能力系と言って良ければ、是非推したい。

ガダラの豚 I (集英社文庫)

ガダラの豚 I (集英社文庫)

 

 

偉大なる、しゅららぼん (集英社文庫)

偉大なる、しゅららぼん (集英社文庫)

 

近作を挙げるならば、

辻村深月「僕のメジャースプーン」、麻耶雄嵩「神様シリーズ」は好きな作品。街ごと破壊するような話ではないけれど。

ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)

ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)

 

  

神様ゲーム (講談社ノベルス)

神様ゲーム (講談社ノベルス)

 

ノンフィクションならば 、森達也「職業欄はエスパー」は外せないところ。 類書を見ない切り口、という点で。

職業欄はエスパー (角川文庫)

職業欄はエスパー (角川文庫)

 

 

つまるところ、ここまで挙げたような本が好きな人にとっては、超能力系って、「何でもあり」ですごく魅力的なカテゴリでしょう?

どうしたって、読む前に期待する訳ですよ。

「こんな話かな」「いや、こんな風に持っていくのかな」と。

帯を見ただけで、もう頭の中で妄想が膨らみまくり。その期待に、ドンピシャ応えてくれませんか、という切実な願い。

乞う! 超能力系の秀作。

俺は待ってるぜ。

                                                                             以上   ふにやんま