このテーマなら年間12日は、ブログネタに困らないじゃないですか!月末当日、それも9月にきてというのがやや悔やまれますが、何という新発見。
でも、来月末にはしっかり忘れていそうな気が。。。
シリーズ化するつもりが最初だけで完全に忘れてしまい、その後恥ずかしいので削除した投稿が、実は過去にいくつもあるので。
【注意】この投稿は「叙述トリック」本の紹介を含みます。
予備知識なしに本を選ぶことが、殆ど無い私のようなかたは別ですが、
・「叙述トリックを使用している」事を事前に知りたくない
・且つ、未読の著名な「叙述トリック」本を残している
かたは、以下読まないほうが無難かと。
なお「どういう叙述トリックなのか」は、一切触れていません。
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大人な空白
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『殺戮にいたる病』我孫子武丸
『〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件』早坂 吝
本格ミステリとか、フーダニットものとか言われるジャンルはどちらかと言うと苦手です。
唯一の例外で読むのが、「叙述トリック」ものですね。
『十角館の殺人』綾辻 行人も、普通だったら途中でやめてしまう流れですが、叙述トリックものだと分かっていたので、何とか読了することが出来ました。
『葉桜の季節に君を想うということ』歌野 晶午
『ハサミ男』殊能 将之
『向日葵の咲かない夏』道尾 秀介
『イニシエーション・ラブ』乾 くるみ 等々、有名どころは大体読んでいると思います。
根こそぎ読もうというつもりはないので、9月でひと段落つきました。
未読で心残りは、筒井 康隆 御大の『ロートレック荘事件』ぐらいでしょうか。
叙述トリックものの場合、私は本格ミステリ好きでも何でもないので、途中でトリックを見破ろうとか、露ほども思っていません。
手に取る動機はただ、
「綺麗に斬られたい」
「やられたーっ!と絶叫したい」
のみです。
その基準でいくと、『殺戮にいたる病』、十分合格でした。
もう、縫合も要らないぐらい綺麗に斬られましたね。テープで押さえときゃ、くっつくだろう、みたいな。
やっぱりこのジャンルは面白いわ、と再認識です。
そして『〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件』、
「叙述トリックおすすめ本10選」等にはまず入らないのでしょうけれど、
(理由は、読んで頂ければ分かります・・・)
個人的には大好きです。アイデアが面白いので、オールOK。
「叙述トリックの、新たな可能性を見せてくれた」とまで言うと、これから読むかたに読後怒られそうなので、やめておきます。
一応、伏線になっている表紙のイラストが、ちょっとハズしているのが惜しいところ。
月間MVPは、
『闇に香る嘘』下村 敦史 (第60回江戸川乱歩賞受賞)
「なんだ、今頃読んでるのか」と言われそうですが。
偶然ですが、これも叙述トリック的な要素が入っております。
主人公が盲目という、「やりたい放題」の設定ではあるものの、
そこは作者が節度をもって、ストーリーのメインには絡ませていないので、ご安心を。
中国残留孤児問題という重いテーマと、娯楽性のあるミステリーとしてのバランスが取れた、乱歩賞にふさわしい傑作です。
作者の下村氏の経歴がまた凄いんですよ。
下村 敦史(しもむら あつし、1981年7月9日 - )は、
日本の小説家・推理作家。
京都府生まれ。1999年に京都府立向陽高等学校II類理数系を
自主退学し、同年大学入学資格検定合格。
2006年より9年連続で江戸川乱歩賞に挑戦。
2014年、5度目の最終候補となった『闇に香る嘘』
(応募時のタイトルは『無縁の常闇に嘘は香る』)で
第60回江戸川乱歩賞を受賞し小説家デビュー。
今野敏は「自信をもって世に出せるものを送り出せた。
ぜひ期待してほしい」と語った。 出所:wikipedia
「虚仮の一心」かよ!と、笑われることもあったのではとお察しします。
あきらめずに夢を実現したんですね。若いのに、偉いですねー。
何とか乱歩賞を、という強い思いが無ければ、『闇に香る嘘』の設定は、きっと手に余ったと思います。
残留孤児問題には、膨大な調査を要したはずですが、途中で作者の年齢を確認して、その若さに驚くほどの消化ぶり。
「賞の価値を高める受賞作品」というのは、なかなか出ないものですが、これからの乱歩賞のレベルをグッと引き上げましたね。
9年連続の挑戦とか聞くと、ブログの更新でフーフー言っている自分が恥ずかしくなりますが。
そうそう、9月は
も面白かったです。
しばらく、伊予弁が口をつくぞなもし。
以上 ふにやんま