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ふにやんま ー 世界の小所低所からー

http://funiyanma.hatenablog.com/  

はじめての育児の前に、おすすめの本。

読書 人生観

初めての出産を控えたご夫婦は、どうしても不安になりますよね。

赤ん坊は夜泣きもすれば病気もする。うまくお風呂に入れられるだろうか。熱を出したらどうしよう。母乳は出るかな?ミルクでもちゃんと飲んでくれるだろうか。そうだ、今までのように二人だけのペースでは暮らしていけなくなるんだ!

心配し始めたらきりがありません。

赤ん坊は親の時間を食べて大きくなるといいます。確かに大変は大変なのですが、苦労だけでなく楽しみも待っているとなれば、少し気が楽になりませんでしょうか。

今日は、これから初めての育児に臨むというかたにお勧めしたい本です。

 

『びっくり妊娠 なんとか出産』 細川 貂々 (2008)

細川貂々氏とツレさんご夫婦の、育児コミックエッセイシリーズ1冊目。当然出産がメインです。

びっくり妊娠 なんとか出産

びっくり妊娠 なんとか出産

 

そして2冊目から、いよいよ育児が始まります。

ツレさんが主夫として育児の主役を担う為、愛息ちーと君がツレさんだけを激しく後追いするシーンなど、なかなか微笑ましいものがあります。

ツレと私の「たいへんだ!」育児

ツレと私の「たいへんだ!」 育児2

ツレはパパ1年生

ツレはパパ2年生

ツレはパパ3年生

ぷにぷに

ボクはひとりで平気だもん! ぷにぷに2

↓ 最新刊 で9冊目。ここまで読むとかなり細川ファミリーに同化してしまい、ちーと君の成長に感慨深いものを感じます。

『ウチのコ、ご近所さんに育てられました』 細川 貂々(2013)

ウチのコ、ご近所さんに育てられました

ウチのコ、ご近所さんに育てられました

 

 

『息子に夢中』中島 梓  (1985)

栗本薫こと中島梓氏の著作。

おかべりえ氏の挿画も素晴らしく、氏の作品の根底にある、死生観が伺える域の子育てベストエッセイだと思っています。

残念なことに既に絶版なので、古本か図書館の蔵書で探して頂くしかないのですが。さすがに30年以上前の本なので、古書も状態の良いものは入手しづらくなりました。

出来るだけ多くのかたに読んで欲しい、再版待望本のひとつです。 

息子に夢中

息子に夢中

 

 

 ↓ 蔵書から、単行本の表紙を紹介   

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田舎の高校生だった頃、「こんな事を考える親がいてもいいんだ」「作家の魂って、こんなにも自由で縛られないものなのか」と、すごく感激した一文を抜粋してみます。その当時はさすがに自分が親になって、読み返す日がくるなどとは思いもしませんでしたが。

おまえに望むこと。それは大体、おまえが生まれたときに思ったことと同じだ。高潔な、毅然とした魂をもってくれるように。ものごとから逃げないで。そしてハンデをすすんでうけとめて。健康でいてくれれば親孝行だが、いてくれ、とは私は言わない。病も事故も運命だ。あの全生園の人びとの澄んだ目を思えば、何が本当に幸せかは誰にもわからない。ただハンデを逃げぬ生き方を。そして、ゆたかな共感と想像力を。他のことなんかどうでもいい、学校に行こうが行くまいが、何になろうが何をしようが。やむをえないと信じたら人を殺したっていいさ。殺人者の母、という事実をでも、私にならきっとうけとめられる。たとえ殺されて、悲嘆に沈んでも、いつかきっと、うけとめられる。

続いて5月9日、大介君の初めての誕生日の稿から。中島梓氏の母としての想いの深さと、高潔な文章に目頭が熱くなります。

私はもともと鬱病型の人間なので、かなり荒れたりさわいだりしたが、しかし、はじめの無我夢中、体ももとにもどらない一、二か月が何とかすぎると、三か月、五か月、半年、七か月、十か月、とたってゆくたびに、はっきりと目にみえて「あ、楽になった」という実感があった。とにかく生まれたては、首もすわってないこわれもので、何もかもおそろしくてさわるのも怖く、ねていれば息をしてないんじゃないかとか、しかも二時間おきの授乳で、これでどうなってしまうのか、と思った。それが首がすわるようになり、それから手足をうごかしはじめる。うつぶせになり、すわるようになる。夜泣きをしはじめるとかわりにお乳を吐かなくなったり、一人ですわらせられるようになるとウンチが大人なみになったり、一長一短、一進一退、みたいだけれども、それでも確実に、うす皮をはぐように一か月より二か月、五か月より六か月、と楽になっていった。
それを思えば、何回かおちこんだときや、もうイヤだと思ったときに大介を殺したり、どこかからとびおりたりしなくてなんてよかったのだろう。こんなにすべてが過ぎ去ってしまうものだと知ることができれば、あと一か月、いや、十日だけ何とか我慢してみよう、と思うことができれば、きっと殺したり心中しなくてよかった、と思うときがくるのだから、私は育児ノイローゼの若いお母さんに、育児ノイローゼのかけだしお母さんとしてそれだけどうしても教えてあげたい。
時は偉大だ。時こそが真の摂理である。私の書きたいのは、まさしくそのことを伝える小説だ。大介にただ一つ知ってほしいと思うのもそのことだ。まだおまえはたった一年の春秋をしか過ごしていない。それを重ねるほどにおまえは母のいいたいことがわかるだろう。春の桜、夏の水、秋のたそがれ、冬の寒気をどうかおまえが来る年も来る年も、はじめてあうそれと同じようにつよく、みずみずしく、全身でうけとめることができるように。戦いの年にも、頽廃の年にも、そうしたうわべの匂いをすかして、おまえが決してかわることのない「時」そのものの息吹をかぎあて、そこから飲むことができるように。このさきどんな未来が私たち人類にあるにせよ、またないにせよ、生きた長さではなく、生きた深さによってこそひとははかられるのだから。この不安ないまにあっておまえがたったひとつの、雨の匂いも夕暮れのものがなしさも、不正への怒りや高いものへの畏敬も、夏の光も夜の闇のふかさをも、うけとめそこねたり、ただうけながしてしまうことがないように、おまえがいつも十二分に生きた、といえるように。ーーーお母さんはとてもダメなところのある人だけれど、それだけは絶対の自信をもっていえるから。      
 お誕生日おめでとう!

胸に迫る美しい文章です。

絶版になったこの本をより多くの人に知ってもらう為、もっと引用したいのですが、ここまでにしておきます。

 

ほのぼの路線に戻りますと、

 

『笑う出産ーやっぱり産むのはおもしろい』 まついなつき (1994)

続編もあり。

男の子3人との日々がここから始まっていきます。語学や料理など他分野の著書も含め、まつい氏のベストは多分これ。

笑う出産―やっぱり産むのはおもしろい

笑う出産―やっぱり産むのはおもしろい

 

 

 『赤ちゃんが来た』 石坂 啓(1993)

コミックエッセイストではなく、ストーリー漫画家兼作家の石坂啓氏。

最近はコメンテーターとしての政治的な発言の方が印象にありますが、文章の上手さに驚かされます。

 

赤ちゃんが来た (朝日文庫)

赤ちゃんが来た (朝日文庫)

 

 

                                                                         以上   ふにやんま