ふにやんま ー 世界の小所低所からー

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もつ鍋を好き勝手に語る

東京では、もつ鍋を誤解しているかたが多いようですね。まず出汁 (鍋出汁、汁) があることに驚かれますから。ひょっとしてもつ煮込みと混同?

第二次もつ鍋ブームの頃、ちょうど東京で働いていまして、もつ鍋屋さんが多いのに驚いた記憶があります。

有名店に行ってみると、存外に美味しくてまたびっくり。「もつ鍋ブームで、全国的にもつが高騰」といったニュースが当時流れていたので、激戦を勝ち抜きつつあるお店は、それなりのツワモノだったということですね。

 

ただ、そんなツワモノ揃いの東京のもつ鍋屋さんの中にも、あれっ?と思うお店が少なからずありました。

博多と同じでないとダメだとか、邪道だとか言う気はないんです。料理はアレンジされて変わっていくものだし、最後は美味いが勝ちの世界。果敢に実験するお店は大好きです。

でも、致し方ないでは済ませたくないのがもつの鮮度でした。

消費地・東京ですから、良いもつはおそらく奪い合いだったでしょう。ただでさえ東高西低の牛肉売価。牛肉の供給が足りないのに、もつが足りる訳が無い。

もつ鍋は、もつが新鮮であればあるほど美味いもの。ちなみに肉が美味い牛は、同じようにもつも美味いそうです。

冷凍なのかもしれませんが、ふんわりとした柔らかさが無いもつは、やるせない感じでした。

 

もう一つ。博多のもつ鍋ではもつ=牛の小腸 (マルチョウ) です。それ以外の部位は使いません。

東京のもつ鍋屋さんでは、小腸以外の内臓を使っている店が結構ありました。

大腸 (シマチョウ)、直腸 (テッポウ) ならまだしも、もつ鍋からセンマイやハツが出てくるとギョッとしたものです。

いや、この方が美味しいでしょ?ということなら構いませんが。

でも私は、もつ鍋にはたっぷりとしたマルチョウの甘味が不可欠だと信じていますので、MIXホルモン鍋まがいのもつ鍋屋さんには、また来ようとは思わなかったですね。

 

博多のもつ鍋の具材は、もつ、ニラ、キャベツ、豆腐、あとは臭み消しの牛蒡が少し。以上!という簡単なもの。

特徴は水の出る葉物を入れないという点で、出汁はどんどん煮詰まって濃くなっていきます。これに最後に出汁を足してもらって、〆に入るのが流儀です。

東京で気になった事をもう一つだけ。

安くて嵩が増える野菜と言えば、決まってますよね。もやしです。

もやしを使ってるお店、嫌でした。あわないですもん。水が出ますし。

 

激戦を勝ち抜いた、今の東京のもつ鍋屋さんは全て美味しいと信じて、博多の話に移りましょう。

「もつは鮮度が命」

もつの仕入れルートには、各店絶対のこだわりがあります。

いいお肉は、一般消費者でもお金を出せば手に入りますよね。ですが博多では、いいもつは専門店にしか出回りません。

博多の名店では「これ以上店を増やすと、自分でもつの管理がしきらん」と言って、いかに薦められてもお店を増やさない社長がいるほど。

 

最近のもつ鍋の変化としては、出汁の味が増えましたね。これは全国的なもつ鍋ブームの良い影響だと思います。

元来、博多のもつ鍋は醤油味が基本。

「あそこは味噌味ばい」

「へー、珍しかね」

という時代が長かったのですが、今は変わりました。

しょうゆ味噌は当り前。ここに塩、チゲ鍋風、ちゃんぽん風といった各店独自のバリエーションが加わります。

観光や出張で博多に来られたかたにしてみれば、色んな味を試してみたいというのが人情でしょう。

魚も食べなアカンのに、2日続けてもつ鍋は無理やし・・・

そんな意向を汲んでか、新しく出来たお店では、もつ鍋1人前が小さく安くなる傾向にあります。

四人でまず「醤油」二人前を食べてから、鍋を変えてもらって「味噌」二人前、といった嬉しい食べ比べが出来るのです。注)二人前で1セットというお店が多い。

 

ちなみに福岡市早良区『もつ鍋 極味や 西新店』さんでは、中華料理の火鍋のように中央を仕切った鍋で、2種類のもつ鍋が同時に食べられますなかなか楽しいアイデアで、味も4種類と豊富。存分に迷えます。

〆は雑炊かチャンポンという伝統的な二択に、チーズリゾットという新風を吹き込んだ事も大いに称賛に値するでしょう。こちらの〆のリゾット、とても美味しいです。

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出所:極味や西新店・メニュー | 焼肉 福岡 | もつ鍋・ハンバーグ・牛タンの極味や

 

博多では、夏場でも「もつ鍋宴会」は珍しくありません。

取り皿に、鷹の爪を親の仇のように大量に入れるのが博多っぽい。出汁の熱さで、鷹の爪から辛味がドンドン出てきます。

もつ鍋は不思議とどんなお酒にもあいますが、夏に大汗をかきながら辛い!美味い!で飲む生ビールは、博多のヨロコビの一つです。

もちろん今日のような寒い日には、最高の暖になることは言うまでもありません。

以上  ふにやんま