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ふにやんま ー 世界の小所低所からー

http://funiyanma.hatenablog.com/  

続『ネットが味方になるWebマーケティングの授業』

『ネットが味方になるWebマーケティングの授業』(2014)

イケダハヤト・中川淳一郎出口治明・伊藤新之介 

ネットが味方になるWebマーケティングの授業

ネットが味方になるWebマーケティングの授業

 

昨日の続きです。法人としてのWebマーケティング、当然HPのようなstaticな形ではなく、ブログのようなdynamicな形でのコンテンツマーケティングはどうあるべきかについて、イケダハヤト氏が語った部分です。

僕らアーティスト側のやり方は、炎上しちゃいますからね。しっかり賛否両論を起こせてプラスに繋がる炎上であればいいんですが、下手をすると企業の存続に直結してしまいますから。 

強いて言えば、こちらの炎上覚悟側のほうが、コモディティにはなりにくいですね。

現場にいると、アーティスト寄りになりたがるんですよね。(中略)現場レベルはそうなんですが、やっぱりマネジメントレベルの人たちがそれを嫌がるんですよね。ブランド管理の面でいろいろ考えてしまいますからね。

伊藤 悩ましいですね。マネジメントの立場からすると、「ユーザー獲得のためにそんな炎上リスクを背負ってやる他ないの?他にないの?」と思っちゃいますよね。

ただし、僕がこうしてブログをやってきて実感していることなんですが、長期的にメディアを運用するという視点に立って考えると、アーティスト寄りにならざるを得ない時がくると思っているんです。何度も言うように、マーケター寄りはコモディティ化してしまうからです。

「サービスのコンテンツレベルで差がつけづらい。コンテンツマーケティングも同じような方向になりそうだ」となったら、次はビジョナリーな部分が勝負の分かれ目になるのではないか

訪問するターゲットも同じになるわけですから、じゃあ、そうしたときに何が差別化に繋がるのかと考えたとき、僕は意見の強さだと思うんです。

ビジョンとコピーライティングでしっかりエッジを立てていくことですね。その点、僕ら個人ブロガーは気楽なんですよ。炎上しようと、燃え移る商品が少ないですから(笑)。

ここでもう一度、本書におけるイケダハヤト氏の立ち位置を。

職業、プロブロガー。28歳。2013年12月に自身のブログ「イケハヤ書店」が月間百万PVを達成。2013年にブログで稼いだ金額は五百万円。

そう、『プロブロガー』(今のふさわしい呼称は知りませんが) という立ち位置が、イケダハヤト氏のここまでの個人としてのブログ観、方法論をどうしても肯定の方向に向かわせるんですよね。

法人マーケティングからは離れますが、個人がブログで稼ぐということは、突き詰めれば読者の興味を惹き続け、自分のサイトに繋ぎ止めておくこと。その為には「自分はこう思う」よりも「読者の興味はここにあるはず」を優先させなければならないと。

そして読者の興味を喚起するであろう内容ならば、むしろ炎上は望むところ、『炎上上等』がプロブロガーのスタンスにならざるを得ないと。

 

イケダハヤト氏自ら言うように、有益なコンテンツの提供だけではあっと言う間に陳腐化する上、大資本には勝てず身が持たない。では目指すべきポジションは何処か?

自分が仕掛け人になって、最大多数の読者を対象に、必ず賛否に分かれるような議論、それも激論を喚起すること。

自身のサイトに小石を投げて、ポチャンという音と共にさざ波を立てる。すると驚いた小魚達が跳ね始め、やがてそれに惹かれた大きな魚が集まりだし、最後にはビチビチと踊り上がる魚群で、水面は嵐が来たような状態になる。これがプロブロガーの狙う一番おいしい状態ですよね。このやりかたならばヒト・モノ・カネの制約を受けませんから。

自分は個々の議論に応対する必要など無いんです。だって消耗するじゃないですか。

必要なのは、皆が興味を持ちやすく、賛否の大勢は決まっているものの、少数派が感情的になって徹底的に反論するようなテーマを選び出し、衝突を促すセンスですね。

イケダハヤト氏の今の活動(過去の活動もですが)については全く知りませんが、本書で思ったこと。

凄いわ『プロブロガー』

趣味の領域ではやってられませんよね。楽しくなさそう。

 

 

第2章は『ネットニュース編集者・PRプランナー』中川淳一郎氏。

徹底的にネットユーザーの特性を分析した、知見の厚みには唸らされます。

ネット民が欲しい情報と企業が伝えたい情報は全然違う

お金のある大企業であれば、テレビだとかマスメディアって言われるものに広告を出して結果も出してたわけだけど、ネットに回ったら全然ウケなかったわけよ、どこも。情報を自発的に選ぶネットで受け入れられるネタが、また別にあるんだよね。

ネット特有の「ウケるネタ」があるんですよ。(中略)ネットでウケるネタはマスでもウケるけど、マスでウケるネタがネットでウケるとは限らないという性質があるから。

僕が思うに結局、2ちゃん民、いわゆる「2ちゃんねらー」に刺さるかどうかなんです。

しつこいんだよ(笑)。何回も「2ちゃんねるは死ぬ」と言われてんだけどね。1999年に始まって、次の年からブログが出てきて、そのときも「2ちゃんねるなんてすぐつぶれんだろ」って散々言われたけど、逆に関連サービスも増えて勢力拡大するしね。 

ネットは、面白いかどうか、驚くかどうかに尽きるんだね、結局。

ネットは一緒に遊ぶ、見下す、ということ以外にも、頑張ってる人も応援するってことなんですよ。

ネットでは、大らかな人も支持されますからね。儲けを嫌う文化もありますから、「お金とかいいから、どうぞ使ってください」の精神は、ネットユーザーの心に刺さりましたね。

 中川氏がネット民にウケるマーケティングとして挙げる事例がまた面白いです。

コカ・コーラ紅茶花伝」1、000問CP

東鳩ハト「暴君ハバネロ」暴大入試

ライフネット生命 「豆を入れた3つのお皿と鳩で保険料を決める」

◇「ガリガリ君」「ペプシ」 限定フレーバー

◇HP制作会社 LIG(リグ)「竹内部長の婚活」  などなど。

それぞれ有名な事例なのかもしれませんが、私にはいずれも初見で楽しかったです。

ネット民に媚びにかからず、彼らに挑戦状を叩きつけるというか、知識勝負をして、一緒にネットで遊んでいる感覚ですよね。ネットは一方的に媚びられるより、こういった遊ぶ感覚が好きなんですよ。

 冷静な分析ですね。ではその遊ぶ感覚は、どうしたら身に付くのか?

ネットユーザーの心を理解し、一緒に遊べる企画を作ること。

半年間ROMること。とにかく2chのスレッドを毎日読んで、彼らと同じ目線で楽しむしかないですよ。

「ROMれ」というのは、ひたすら読みまくれということらしいのですが。中川氏が繰り返し説くのは、何をおいてもネットユーザーの気持ちを理解しろということ。

 

イケダハヤト氏の第1章でも思いましたが、やっぱりその道のプロは凄いです。2ちゃんねる半年って・・・。

ネットで発信する側の人間に求められるのは、そこまでユーザーと一体化することなんだと知って、逆に気が楽になりましたね。

だっておじさん、ネットに関しては何もしていない事に自信がありますから。

 

以上 ふにやんま