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ふにやんま ー 世界の小所低所からー

http://funiyanma.hatenablog.com/  

『記憶屋』織守きょうや

『記憶屋』織守きょうや(2015)

 

記憶屋 (角川ホラー文庫)

記憶屋 (角川ホラー文庫)

 

織守きょうや=おりがみ きょうや、と読みます。作者のメンタリティがなんとなく伝わるペンネームで。

第22回日本ホラー小説大賞 読者賞受賞作品。

最初は聞き慣れない単語に「読者賞って何だ?」と思いましたが、読者の公募で選ばれた作品なのでしょう。多分。

先に言っておきますね。

本書、ホラー小説ではありません。

①ホラーと聞いただけで受け付けない人がいる。

角川ホラー文庫なのにホラーじゃない!と怒っているレビューが多い

以上を踏まえて前置きを。

普段は自分の印象が引っ張られるのを避けるため、他の方のレビューは見ないようにしているのですが、②が気になってamazonでパラパラとチェックしたら予想どおりでした。

ジャンルなんてどうでもいいのにね。あえて言うならSF要素の入った青春ミステリー、といったところ。

ちなみにamazonレビューは星少なめでした。

 

結論:なかなか良い。

ちなみに本好きの中学生の子供も同意見。ややティーンエイジャー向けなのかな。

忘れたい記憶を消してくれるという都市伝説「記憶屋」

記憶を消すことは悪なのか正義なのか?

文庫裏の惹句泣けるほど切ないは正直大袈裟でしたが、気楽に読めるフィクションをお探しのかたにはお勧めできます。

「それ、記憶屋に頼むしかないことなのか?記憶を消すって、どういうことかわかってるか?......現実にはあったことなのに、自分の中から消えるって......どういうことか、わかる?本当になかったことになるわけじゃないんだぞ、でも自分だけそれを覚えてないんだ、それって、すごく」

すごく、怖かったり。寂しかったり、することじゃないか?

取り返しのつかない、ことだから。.....よく考えてほしい、嫌な記憶だけ消して、すっきりしてめでたしめでたしなんて、そんな風には、ならないと思うから

割と安直なエピソードと、ルーツを含めた記憶屋そのものへの解釈。もうひと捻り欲しいストーリー展開にモヤッとしないこともないですが、合格点をあげましょう。

「記憶屋」II、Ⅲまで続編があることには驚きましたが。意外と人気あるんだ。

若い方はここからライトノベル方面に行くだけでなく(もちろん行ってもいいんですよ)、更に筆力がある作家の本にもトライしてくれたらいいのにな。

生と死、記憶の重み、喪失と悔恨。

かなり近いテーマを扱いつつ、唸るほど凄い作家というのが、世の中にはいるんだと知って欲しい。

そうだったらいいのにな ♪ リフ。

 

ツナグ

ツナグ

 

 

死神の精度 (文春文庫)

死神の精度 (文春文庫)

 

 

以上  ふにやんま