読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ふにやんま ー 世界の小所低所からー

http://funiyanma.hatenablog.com/  

10月エントリしなかった本など

読書

モナドの領域』筒井康隆(2015)

モナドの領域

モナドの領域

 

著者最後の長編という触れ込みに惹かれて。

メタ文学?メタフィクション?なかなか面白く、巨匠衰えずの感を強くしましたが、肝心の中身の紹介は手に余ります。ペダンチックなおふざけの中に、チラッと見せる本気。哲学、神学、物理学と、学際的な知識が豊富なかたでないと、的確な書評は難しそう。したたかなり筒井翁。思えば遠くへ来たもんだと。

しかし小松左京星新一との昭和SF大家トリオでは、筒井氏の晩年がいちばん充実していますね。実験意欲を失わず、現状に甘んじるということがない。山藤章二『ブラックアングル』での絶妙な枯れ具合を見るにつけ、いずれも見習うべき齢の重ねかただと感心させられます。さすがコンビを組んだ事もある間柄。スタイルこそ違えど、合い通じるものがあるようで。

『出版禁止』長江俊和(2014)

出版禁止

出版禁止

 

こういった、アナグラムや記述上のトリックを見つけることを楽しむ小説というのは、あまり好みではないんですよね〜。単にそれだけ。出来としては悪くないです。手練手管が剥き出しな感じを嫌う読者もいるかなとは思いますが。

いずれにせよ、かなり読者を選ぶ一冊。

 『WALKING DEAD シーズン6』

ウォーキング・デッド6 DVD-BOX1

ウォーキング・デッド6 DVD-BOX1

 

シーズン毎にリリースを楽しみにしています。なんせ年に1回のペースですからね〜。最初はDVDを借りて見ていましたが、途中からAmazonプライムの無料視聴対象になって、かなり得した気分。

これからもCSやWEB配信に放映権を取られませんように。神様お願いします。神も仏もない世界の話ですけど。

ゾンビものとして見応えがあるだけでなく、アメリカ人の暴力観、正義観が垣間見えるのが興味深い。今や世界中で放送されているようですが、アメリカ人以外はみんな、こいつら野蛮だよなぁ、あかんわ銃社会と心から思っているはず。

シーズン6では暴力は何も解決しない、暴力には報いがある、暴力は連鎖するという反米的?価値観にかなり振ったので、これからどう軌道修正するのか楽しみです。

最終話のラストシーンはさすがにあんまりで、シーズン7/第1話のネタバレを即探してしまいました。あざと過ぎる繋ぎはやめて。1年も待てないから。

リックの急速ないらん子化も気になるところ。ここから改悛? そうなるとリックの逡巡だけで絶対3話ぐらい使いそうで嫌。そろそろ代替わりもありかな。

3月のライオン』12巻  羽海野チカ 

3月のライオン 12 (ヤングアニマルコミックス)
 

NHKでアニメ放送が始まりました。

ハチクロすら読んでいないのに偉そうな事は言えませんが、川面のきらめきや下町の夜景等、丁寧に作り込んであって良いアニメだと思います。BUMP OF CHICKENのオープニングもなかなか。

すっかり内容を忘れているので、新刊が出る度に前巻を読み直します。今回は11巻の捨て男に、フレッシュな気持ちでまた激怒させられました。読むの何度目やっちゅうねん。

ふんわりした画風と、プロ棋士の厳しい世界やキャラクターの心理描写の確かさがこの作品の魅力。悪役までしっかり描き込まれているのが、やや心臓に悪いですけど。

父親に実質的な絶縁を告げた後、あかりさんが熱を出して寝込むシーン。大事なものに訣別した時や、心に根を張った感情を理性でねじ伏せた時、人間の身体ってそれをストレスとして受け止めるんですよね。とてもリアル。

12巻では昨夏に家族で泊まった指宿(いぶすき、鹿児島県です)の旅館が、棋竜戦の対局会場になっていて嬉しかったです。砂風呂また行きたい。

島田八段に恋愛フラグが立つとは思いませんでしたね〜。モデルになった棋士を知っていたりすると、更に楽めるはず。想像。

アニメに続いて実写で映画化されるそうですし、松山ケンイチ主演の映画公開も今月間近に。コンテンツとしての将棋の強さを感じます。

ちはやふる』33巻  末次由紀 

ちはやふる(33) (BE LOVE KC)

ちはやふる(33) (BE LOVE KC)

 

音の世界であるはずの競技かるたを、漫画として違和感なく読ませているところが実は凄い。

バーンと畳を叩く音とか、読手(どくしゅ)のかるた独特の節回しとか、美味しいところを全部封じられた上で、エンタテインメントとして勝負している訳です。

漫画と音楽は別に珍しい組み合わせではありませんが、競技かるたのように認知度が低い世界を題材にすると、音のイメージが読者によってバラつく難しさが。

そうなると人間関係と心理戦という、本来メインではないはずの素材で勝負せざるを得ない。まあ人間関係には必殺の恋愛も入りますが。

むしろアニメや映画のほうが、原作とはガラッと異なる競技かるたらしい世界が作りやすいかもしれません。実写映画では、音は効果的に使えていたのでしょうか? すず心配。

 

ちゃちゃっと読書メモを書いて終わるつもりが、長くなってしまいました。こういうランダムな取り上げ方は、かえって難しいですね。懲りました〜。

以上  ふにやんま