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ふにやんま ー 世界の小所低所からー

http://funiyanma.hatenablog.com/  

『これが「買い」だ-私のキュレーション術-』成毛眞

読書 デジタルライフ 人生観

『これが「買い」だ-私のキュレーション術-』成毛眞(2016)

これが「買い」だ:私のキュレーション術

これが「買い」だ:私のキュレーション術

 

アイコンからさえも、僕って賢いでしょう的なスノッブな自意識が滲み出てしまう成毛眞。かのナンシー関女史が存命だったら、どんな消しゴム版画を作ったことかという突っこみ易さはありますが、書くものは面白いので、基本買いです。

本書は「キュレーション術」などと今風なタイトルで、成毛氏のキャリアとあわせてIT系の本だと誤認させられないかという商売っ気に溢れていますが、『週刊新潮』連載時のタイトルは逆張りの思考」。まあ、氏の思うところ、よろずよもやま話を集めた一冊です。それこそがキュレーションじゃん!とか強弁されると苦しいですが。手ごわいな、IT用語。まあ、自己啓発ライフハックの本だと思って買わないようにご注意ください。

人間に「順張りタイプ」と「逆張りタイプ」があるとすれば、私は明らかに後者である。

私は35歳からおよそ10年間、マイクロソフトの社長を務めた。そして、2000年に社長を辞した理由の一つは、「誰もが大声で『IT』と叫び出したこと」だった。時はITバブル絶頂期。

自分のアマノジャクぶりを、何故ここまで肯定的に喧伝するのかよく分かりませんが。僕って面白いでしょう?普通じゃないでしょう?みたいな。子どもかっ!しょっぱな(これ、序文です)からトバす成毛氏。

◇アップル最大の発明とは

◇ドローンの次のかたちを

◇本棚とスマホは脳を映す

といった、成毛氏ならではの有益なコラムも多く、内容的には十分楽しめます。

反対に

◇費用対効果の高い接待をする

◇パーティをやるなら伝説をつくる

といった脱力系のなんじゃそりゃコラムもありますが。

接待されたほうは普通「楽しかった」って言うよ!大人だし!

それって評価が主観的過ぎるだろ!

等、突っ込みに大忙し。ビジネスの世界では、こういう自己肯定感の強い人が成功するんだよなあと再認識。

◇天ぷらを愛している!

そもそも、スシはいいネタが手に入れば、家庭でも模倣できる。真似できないのは、赤身のヅケ、白身の昆布締め、アワビの酒蒸しといった「仕事」をしたネタなどで、後はそこそこプロの味に近付けることができるのではないか。

その一方で、素人の努力では、店で出される味に遙か遠く及ばない食べ物がある。天ぷらだ。

この人はあまり食を語らない方がいいのでは?と思いましたが、別のコラムでこの一文を発見。

魚介は火を通した方が断然旨いと信じているため、生魚がつきものの和食より、フレンチやイタリアンを選ぶことが多いが、 

生魚が苦手なだけじゃん。

天ぷらが美味しいのは否定しませんけどね。

ゴルフ談義。孫正義氏の自宅地下に設けられたプライベート練習場が凄い。

天井の高い、ちょっとしたパーティができそうな広い部屋の正面には、巨大スクリーンが設置されていて、オーガスタなどのバーチャルなゴルフコースが映しだされている。スクリーンに向かってクラブを振ると、ボールがぐんぐんと飛んでいく映像が出る。ボールの止まった位置によってはッ床も前後左右に傾く。(中略)

地下室にもかかわらずパラパラと雨が降り出し、風まで吹き始めた。なんと、悪天候を再現する仕掛けまで整っているのだ。

これが15年前の話です。今はどこまで進化しているのか?孫’S練習場。聞くのが怖い。

茶化しとサイドエピソードに終始してしまいましたが、プロの書評家でもある成毛氏の書くものにはさすがにハズレがない。ビジネスパーソンにはやっぱりお勧めできる一冊だったりする訳です。第5章 ビジネスヒントはここにある などは、氏の関心領域の広さと着想に唸らされますね。やはり大したものなのでした。

好きだからこそ茶化しちゃったりしちゃう。これはやはりアマノジャクと言うのでしょうか。

以上 ふにやんま