ふにやんま ー 世界の小所低所からー

http://funiyanma.hatenablog.com/  

プロレス小説 二題

『ポリスマン』永瀬隼介(2003) 

ポリスマン (幻冬舎文庫)

ポリスマン (幻冬舎文庫)

 

オイタをした外国人レスラーや、道場破りと対戦し制裁を加える役割を持った影の実力者を 、プロレス界の隠語で ''ポリスマン'' と呼ぶのは知っておりました。興味深い題材で、まあそこそこのレベルなのですが、期待が大きかっただけにハズレ感強し。

日本人メインキャラ2人は、入門したての若手練習生 浮谷信吾と、亜細亜プロレス内では地味な中堅どころのレスラー深見甚次郎。お察しのように彼がポリスマン

この日本側メインキャラ2人に加えて、物語の中心をなすのはアマレスの元金メダリストにして元ソ連の国民的英雄、セルゲイ・クルチェンコ。まあどう考えてもカレリンですね。ここまで見て、

既に既視感バリバリじゃないですか?

登場するキャラのことごとくが脳内変換で即ビジュアル化されるのに参りました。全部板垣恵介氏の絵柄で。 このジャンル、板垣恵介氏と夢枕貘氏の功績と言いますか、両氏が既に書き尽くしてしまった為に、かなり新味が出しにくい。本書も公安とかロシアンマフィアとか軍事スパイとか、独自の要素を加えようという努力は伺えるのですが、いずれもプロレス以外のエッセンスですからね。読みたいな〜、目が醒めるようなプロレス小説。

『カウント19』永田俊也(2007)

カウント19

カウント19

 

たまたま続けて読みましたけど、こちらの方が面白かった。ちなみにこちらも団体名も同じ亜細亜プロレス。なぜ?お約束なのか亜細亜プロレス?

会場の売店の数とか、社長が資金繰りで苦しむ様子とか、弱小プロレス団体の内幕にはリアリティあり。この辺で新味を出すしかないのですかねえ。本線のプロレスシーンには特に目新しさは感じませんでした。すいません。

きっぷのいい女子部のリーダー選手や、癌と闘いながらも仲間の応援には必ず駆け付ける三人の子持ちレスラーとか(なお奥さんは妊娠中)、人情系の設定が手厚く、そこそこでホロリとさせられます。そして主人公 金原竜司がなかなかに魅力的。ラストはおそらく好き嫌いが分かれるところ。ちなみに私は嫌いというか苦手ですね。もうちょい綺麗な?(読めば分かります)終わりかたが好みです。

【おまけ】プロレスのノンフィクションものでは、隠れた名作だと思うのがこちら。

クマと闘ったヒト (MF文庫ダ・ヴィンチ)

クマと闘ったヒト (MF文庫ダ・ヴィンチ)

 

異色の組み合わせですが、らも氏がでミスター・ヒト氏の営むお好み焼き屋さんにたまたま入り、そこで聞いた話があまりに面白かったので、本にしようと思い立ったという経緯だそうで。ヒトさんは馳浩や山田恵一(風になる前)を始め、大勢の日本人レスラーの面倒をカルガリーで見ていたかた。ヒト氏が気分良く喋る仰天話の数々、いつかご紹介したいなと。たまげますよ。ちなみにヒトさんのお好み焼き屋さん、玉造だったそうです。

以上  ふにやんま