ふにやんま ー 世界の小所低所からー

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黒新堂を堪能せよ。『カリスマ』ほか。

グロやホラー、ナンセンス(死語?)がしっかり描ける作家というのは、概ね対極のリリカルな作風も兼ね備えているもの。真っ先に思い浮かぶのは筒井康隆ですか。スラップスティックの一方で、学園ジュブナイルとかお手の物でしたね。新しいところで思い浮かぶのは乙一氏。ペンネーム、中田永一名義での『くちびるに歌を』は皆んながハッピーになれる秀作でした。

くちびるに歌を (小学館文庫)

くちびるに歌を (小学館文庫)

 

そう言えばこの人の初期作品も乙一、白乙一と分けられていましたっけ。

【ポイント】

①一流の作家には“白黒”と呼ばれるぐらいの振れ幅が備わっていて当然。

②そもそも人間の“陰”が描けない作家に、“陽”や“聖”が描けるはずがない。

...話がすっかり終わってしまいました。まあ新堂冬樹のようなメジャーを私ごときがあらためて紹介する必要もないですからね。それ言ったらこのブログ崩壊しますが。ちなみに先日書いたばかりですが、純愛モノとか若干厳しくなってきた昨今、白新堂はかなりツラいので黒新堂限定で。。。

既読の作品の五段階評価だけしておきます。雑ふにやんま。

★★★★★『カリスマ』 

ー洗脳シーンの執拗な描写が秀逸。組織や資金の運用実態なども実にリアル。新興宗教モノでは頭一つ抜けた力作ー

カリスマ〈上〉 (幻冬舎文庫)

カリスマ〈上〉 (幻冬舎文庫)

 

★★★★★『吐きたいほど愛してる』

ー捻れていても歪んでいても愛してる。様々な愛のカタチー 

吐きたいほど愛してる。 (新潮文庫)

吐きたいほど愛してる。 (新潮文庫)

 

★★★★☆『溝鼠』シリーズ全3冊 

ー途中で「もう勘弁してくれ」と思わせる小説は数あれど、最後まで読まないと損だと思わせる希少な一冊。ただしゴアシーン頻出につき注意です。「ゴアシーンって何?」というかた(極めて普通です)は読まない方がベターですねー 

溝鼠(ドブネズミ) (幻冬舎文庫)

溝鼠(ドブネズミ) (幻冬舎文庫)

 

★★★☆☆『背広の下の衝動」

 ー「団欒」が話のタネになる。すいません、それだけですー 

背広の下の衝動

背広の下の衝動

 

あとは全部★★☆☆☆です。多作な作家さんだけに質にも振れ幅があるようで。うわ、日本語ってめっちゃ便利。

 『君が悪い』

君が悪い (光文社文庫)

君が悪い (光文社文庫)

 

『摂氏零度の少女』

ー実際の事件のモデル小説というのは、読み手のイメージが膨らまず、却って難しいなとー

摂氏零度の少女 (幻冬舎文庫)

摂氏零度の少女 (幻冬舎文庫)

 

 『銀行籠城』

ーこれもそうですね。描きやすいのかもしれませんがー

銀行籠城 (幻冬舎文庫)

銀行籠城 (幻冬舎文庫)

 

『無間地獄』『ろくでなし』はどうした?と訊かれそうですが、ジャンル的に多分読まないと思いますわ〜。

以上  ふにやんま