ふにやんま ー 世界の小所低所からー

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決定版・博多では何故サバを刺身で食べるのか

サバの刺身問題について考察し続けるふにやんまです。嘘つけ。前回アップしたのはこちら。 

funiyanma.hatenablog.com

この問題について進展がありましたのでご報告したいと思います。

キッカケはこちらの本。

「サバが好き!」全日本さば連合会、池田陽子(2018)

鯖 サバが好き! 旨すぎる国民的青魚のすべて

鯖 サバが好き! 旨すぎる国民的青魚のすべて

 

一冊まるごとサバ。

ことごとくサバ。

博多のサバしゃぶ以上にレアな本であります。

本書内のコラム「サバを生で食べる?食べない?」から。 

東京都健康安全研究センターが、サバに寄生しているアニサキス総数のうち筋肉部に移行した割合を調べたところ、東シナ海日本海でとれたサバ(おもにアニサキス・ピグレフィーが寄生)は、0.1%。太平洋側でとれたサバ(おもにアニサキスシンプレックス・センス・ストリクトが寄生)では11.1%と、その差は100倍以上。

おー!欲しかった定量データ。

なお、前掲の過去記事を読んでいただかないと「なんのこっちゃ」だと思いますので簡単におさらい。

生のサバを食べた人を、往々にして食中毒で苦しめるアニサキスは、基本的にサバの内臓に潜んでいます。

となると新鮮なサバをすぐにサバいて、はらわたを丸ごと取り除いてしまえばアニサキスに関しては安全なはずですが、そうならないのはなぜか?  こたえ。

アニサキスには、サバの筋肉の中にどっしり居を構えている奴が少なからずいる。

したがって、

いかに新鮮なサバであれ、その身(筋肉)にアニサキスが潜む危険性はゼロではない。

海原雄山先生が鮭の刺身、それもルイベではない「本生」の刺身を用意した山岡士郎を叱責したように、

「愚か者めが!人間のすることに絶対などない」

ですから、如何に料理人さんが目視で厳しくチェックを入れようが、サバをアニサキス検出器(あるんですよ、青い蛍光灯みたいなのが)にかけようが、リスクを完全にゼロには出来ない。

しかもですよ、アニサキスってあんなにヒョロヒョロしているくせに、サバが死ぬと内臓から筋肉に少なからず移動するらしいんですよ。

「サバのいきぐされ」とか言いますが、まさに時間との戦い。鮮度が落ちればアニサキスのリスクまで高まるという苦境。サバ危うし!

でも博多ではサバを刺身でガンガンに食べとうよ。なんでね?

というのが前回のブログの趣旨でした。簡潔に言うと、答えは

博多のサバに寄生するアニサキスは、太平洋側のサバのそれとは生態が違い、筋肉部分(要は食べるところ。身ですね)へ移動することが殆どないから。

もちろん「パーフェクト・ゼロ」ではないのですが、博多のサバだとアニサキスのリスクが目茶目茶低いという事ですね。

その根拠となるデータをようやく見つけた訳で、喜びも一塩です。干物か。サバだけにか。

東京都安全研究センターのHPへ跳んでみました。ででん。ソースはこちら。リンク添付。

アニサキスのグロい寄生画像あり。閲覧注意。

アニサキス症とサバのアニサキス寄生状況

なんとまあ、2010年2月のレポートでした。今から8年前にはきっちりと答えが出ていた模様です。不勉強が恥ずかしい。

今回は「決定版」と銘打っておりますので、それにふさわしいデータを引用させて頂きます。

出所:東京安全研究センターHP

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長崎県・福岡県といった、博多のサバのメインとなる水揚げ漁港のサバにおいては、アニサキスの総寄生数に対する筋肉寄生数(カッコ内の数字)の割合が極めて小さい。

長崎県ではアニサキスの総数2,721匹に対して、筋肉寄生数は実に1匹。実に0.037%ですから、相対評価でなくても安全だと言えるレベルでしょう。

ここがミソなんですね。

サバの身(筋肉)内のアニサキスの基礎数の、圧倒的な小ささ。

博多のサバの刺身の安全性、ここに全て明らかになりました!と言いたいところですが、ちょっと気になる点が一つ。

データの数値を見ると、長崎県及び佐賀県の筋肉部陽性尾数がいずれも1なのは、分母である30と13に対してやや大きいと言わざるをえないのでは(汗)

13尾のサバを与えられて「そのうち1尾のサバの身にはアニサキスがいるよん、でもどれかは食べなきゃ許さないよん」と言われたら普通は腰が引ける。13分の1は微妙だけど、やっぱり嫌だ。困った。

(実際は刺身で丸々一尾を食べる訳ではないので、リスクは13分の1よりはるかに小さいのですが。まあ便宜的に)

「13分の1」に対する有効な説明が欲しい。博多のサバはもっと安全が高いはずなので、データと肌感覚があまりに違い過ぎる。

これって気にし過ぎのレベルですかね?

仮説レベルならいくつか思い当たることはありますが。推測でものを言っても仕方ないし。

東京都安全研究センターの皆さん、助けてくださってもいいとよ。

ということで「決定版」は何故かモヤモヤを残したまま終わるのでした。うわっ余計なこと言わんときゃよかった。

以上 ふにやんま